
【イベントレポート】東京都立大学ACADEMIA PITCH
2025年3月14日、東京都立大学の教員(助教・准教・教授)たちによるピッチイベント「東京都立大学ACADEMIA PITCH」を、清水建設が運営するイノベーション拠点・温故創新の森 NOVAREにて開催しました。
当日は都立大学にある技術シーズの社会実装を目指し、5名の先生が研究成果と社会実装案をプレゼン。様々なステークホルダーが参加し、協業の可能性を探る場となりました。
東京都立大学による研究成果の社会実装へ向けた取り組み
東京都が設置する唯一の総合大学・東京都立大学では、学内に蓄積された多くの研究シーズの事業化を目指し、産学公連携による起業支援・オープンイノベーションの機会創出に力を入れています。
アドリブワークスはその取り組みを推し進めるべく、学内の教員に対して事業開発ジェネレーター「trivenAi」の提供と活用支援、さらにスタートアップスタジオ「norosi」内でのプログラム提供を通じた社会実装アイデアの創出支援を行ってきました。
本イベントは、これらの取り組みの成果発表の場として、東京都立大学主催、TOKYO SUTEAMの共同協定事業者である清水建設との共同運営により実施されたものです。
TOKYO SUTEAMとは
東京都が2023年度から開始している、多様なステークホルダーによるスタートアップ支援展開事業。「未来を切り拓く10×10×10のイノベーションビジョン」の実現に向けて、東京のスタートアップエコシステムを強化する目的で実施されている。アドリブワークスと清水建設は2023年度より、TOKYO SUTEAMの共同協定事業者として採択を受けている。
▶︎清水建設とアドリブワークスによるTOKYO SUTEAM協定事業についてはこちら:NOROSI.tokyo|NOVARE boost
イベントのハイライト
東京都立大学による産学官連携の取り組み紹介
イベントの冒頭では、東京都立大学の産学公連携担当課長・十津川剛さんより、同大学が取り組む産学官連携の活動について紹介がありました。
東京都立大学では、多摩地域の大学・研究機関、自治体、金融機関、企業と連携し、新規事業や研究開発型ベンチャーの創出・育成を推進するエコシステム「TAMA-LEAP」を設立・運営しています。
当日は「TAMA-LEAP」の活動内容に加え、学生によるビジネスアイデアコンテスト、教員向けGAPファンドの提供、CxO人材とのマッチング支援など、研究成果の社会実装に向けた包括的な取り組みについても紹介されました。
先生によるピッチ
当日は5名の先生がピッチを披露。金融機関やベンチャーキャピタル、大学関係者など40名以上が参加し、研究内容と社会実装案に耳を傾けました。
▲太田 涼介 助教|システムデザイン研究科 電子情報システム工学域
パワーエレクトロニクス、特にワイヤレス給電を専門とする研究者。便利さと環境への配慮のバランスが課題とされるこの分野で、EVへの走行中ワイヤレス給電や光免疫療法、ベースメーカーなど医療分野への応用が期待されている。
▲武居 直行 教授|システムデザイン研究科 機械システム工学域
ハンズフリー・船舶免許不要で海や川の上を自由に歩くことのできる「水上セグウェイ」を開発するロボット技術研究者。現在実用化に向けて、市場戦略と技術改良に取り組んでおり、将来的には水害・震災時にも応用が期待されている。
▲田岡 万悟 准教授|理学研究科 化学専攻
従来の方法では困難だった大規模な分子量のメッセージRNA分析について、1回の検査で全ての必要な情報を得られる独自技術を開発。RNA関連の技術開発と応用に焦点を当て、製薬会社の次世代医薬品開発への応用が期待されている。
▲山下 愛智 助教|理学研究科 物理学専攻
核融合炉の寿命の決定要因であり、次世代型核融合炉に欠かすことのできない「照射耐性の向上」を目指した新しいハイエントロピー型銅酸化物高温超伝導体を開発。照射耐性や超伝導特性の向上が期待されている。
▲鈴木 敬久 教授|システムデザイン研究科 電子情報システム工学域
無線電力伝送、特にEMC(電磁両立性)に焦点を当て、電波の干渉を最小限に抑えつつ効率的な電力伝送を実現する方法を探求。日常的な充電の手間を軽減したシニアカーのシェアリングサービスにも取り組んでおり、高齢化社会におけるモビリティとして期待されている。
ラウンドテーブル
先生のピッチ後はラウンドテーブル(研究成果や社会実装にあたっての課題について自由に議論する場)の時間を設け、登壇者と参加者が垣根を越えて活発に意見を交わしました。
研究の実用化に向けた技術的・制度的な課題や、民間企業との連携の可能性について、多角的な視点から議論が行われ、今後の展開に向けたヒントを得る場となりました。
まとめ
本イベントは、東京都立大学に蓄積された最先端の研究シーズと、社会実装に関心を寄せる多様なステークホルダーをつなぐ場となりました。
こうした対話の機会を継続的に設けることで、都立大学を中心としたエコシステム「TAMA-LEAP」の発展が加速し、持続可能な社会の実現に向けた一歩となることが期待されます。
アドリブワークスでは自治体・民間企業・研究機関・そして起業の志を持つ個人の方に対して、再現性高く事業開発を進められるプログラムを提供しています。
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