【コーディネーター紹介:奥島輝也】「情熱」こそが起業家唯一の武器
アイデア段階から挑戦できるスタートアップスタジオ「norosi(ノロシ)」では、ビジネス立ち上げの経験が豊富なメンバーがコーディネーターを勤め、それぞれの経験を活かしながらアイデアの事業化をサポートしています。
ここでは、norosiに所属するコーディネーターにインタビュー。今回は自らも起業家としての事業を持ちながら、norosiに参画している奥島に、これまでのキャリアや起業家支援に込めた想いを聞きました。
プロフィール
奥島 輝也
HighlineCollege Education学部終了、京都産業大学大学院 生命科学研究科修士号終了。大阪で建設業界を中心に営業のキャリアを積んだ後、大手設備会社にて営業、新事業の立ち上げ〜導入に従事。その後、外国人にとって日本が住みづらい国である問題に注目し、外国人向け生活サポート事業を構想、2023年10月に株式会社hupodea(ヒューポディア)を設立。同時にnorosiコーディネーターを務める。
この記事の目次
奥島さんの自己紹介をお願いします!
奥島:奥島輝也です。現在は株式会社hupodea(ヒューポディア)代表とnorosiコーディネーター、二つの役割を持って活動しています。
hupodeaでは日本のグローバル化を促進するため、在留している外国人留学生と日本企業をつなぐスポットワークマッチングサービス「hupoSHARE(ヒューポシェア)」を開発。
学生のうちから日本企業の仕事を体験することで、大学卒業後も日本に住み続けるイメージを持ってもらうためのサービスを展開しています。
一方でnorosiでコーディネーターとしては、各起業家さんとのコミュニケーションやアクション進捗の確認、それに基づいたフィードバックを提供する役割を担っています。
どんな学生時代を過ごしましたか?
奥島:もともとは教員を目指していて、大学院では理科の教員免許も取得していました。一方で、多言語教育や異文化コミュニケーションの領域にも興味があったので、大学院のときに「海外の教育のあり方を学ぶ」という目的でアメリカへ留学しました。
しかしそのとき、現地の大学で日本との教育システムに大きなギャップを感じました。
そして、一教員がこのシステムを日本に持ち込むのは難しいと感じ、結局教職は断念。民間企業の就職へと舵を切り、建設業界の営業職としてキャリアをスタートしました。
就職後のキャリアも教えてください。
奥島:1つ目の会社でキャリアを積んだのち、外資系の大手設備会社に転職、営業や新事業の立ち上げを担当しました。
このときに驚いたのが、外資系企業でありながら、英語を話せる人が社内に少数しかいなかったこと。
日本のグローバル化が遅れていることをこのとき強く実感し、hupodeaのビジネスを構想するきっかけとなりました。
その後会社を退職、個人事業主を経て、2023年にhupodeaを創業しました。
norosiに参画したきっかけは?
奥島:実は、もともとは運営側ではなく、プログラムを活用する起業家としてnorosiと出会ったんです。
所属したばかりのときは「外国人留学生のため」「日本のグローバル化のため」という想いは変わらず持っていたものの、今ほど明確に事業アイデアが固まっておらず、自分のやりたいビジネスを模索している状況でした。
「ライスワークをしながら自分のビジネスを考えなければいけないな」というタイミングで、norosi代表の山岡さんに「コーディネーターとして働いてみないか」と声をかけていただきました。
自分も事業立ち上げに挑戦しているからこそ、起業家さんがぶつかる悩みや壁に寄り添えると思いましたし、norosiの業務をする中で自分自身も起業家として成長できそうなイメージが湧き、コーディネーターとしてジョインすることを決めました。
起業家の方たちと向き合うときに心掛けていることを教えてください!
奥島:世の中には多くのスタートアップ支援の会社がありますが、そこに所属しているアドバイザーたちのうち、ご自身で起業した経験がある方はそこまで多くない、というのが実情だと思います。
だからこそ、自分自身が起業のプロセスを経験していることを活かして、経験に基づいた根拠のあるアドバイスをするように心掛けていますね。
具体的に、どんなアドバイスをしていますか?
奥島:例えば、ビジネスコンテストや支援者を募るピッチイベントでは、「主張に対してエビデンスはあるのか?」「本当に市場ニーズはあるのか?」「あなたたちのサービスが選ばれる理由は?」など、ビジネスモデルの具体性や実現可能性が厳しく問われることが多いです。
もちろん、ビジネスを成り立たせるためにはこれらの質問に答えられるようになることは必須。
しかし「課題解決やアイデアに対する情熱はあるが、まだビジネスモデルの形にはなっていない」というタイミングでこれらの質問を矢継ぎ早に浴び、答えられなかった末に「そのアイデア、ダメだね」とネガティブなフィードバックを受けると、せっかくの情熱が冷めてしまうことも多々あります。
せっかく「社会を変えたい」と立ち上がったのに、周囲からの冷ややかな反応を受けて諦めてしまうのはとてももったいないこと。
私自身も、過去にこれらの質問に答えられず悔しい経験をしてきたことがあるので、最初の段階で「人にアイデアを話す前に、どこまで考える必要があるか」を明確にお伝えするようにしています。
奥島さんが思う「起業の第一歩」で重要なこととは?
奥島:起業するに至った理由、その情熱を絶やさないようにすることが重要だと思います。
自分自身もhupodeaを立ち上げるとき、壁にぶつかるたびに「なんで自分はこれをやりたいんだっけ?」と自問自答していました。特に「それって本当にやる意味あるの?」「自己満足なんじゃないの?」という声を受けると、どうしても心が折れかけてしまいます。
これから起業を目指す方には、そういった声にも屈しない強い志が求められます。
「実現したい」という強いこだわりを伴うアイデアを紐解くと、決してその場の思いつきで生まれたわけではなく、その裏には必ず、起業家自身の過去の経験や感情を揺さぶられるエピソードがあります。
自分の事業に対する想いをきちんと言語化し、自信を持って人に話せるようにすることが、共感を起点に支援や協力を得る第一歩になると考えています。
最後に、起業家の方へエールをお願いします!
奥島:繰り返しになりますが、起業の最初期は「情熱」こそが一番の武器であり、それを失わないようにすることが大切です。
私たちnorosiコーディネーターは、その熱意を引き出し、アイデアをビジネスモデルの形にするところまで支援します。
共に頑張っていきましょう!
norosiメンバーに聞く、奥島さんってこんな人
逆境に耐える不屈の精神と、人のアドバイスを受け止める柔軟さを併せ持つ稀有な起業家。奥島さんのビジネスに対する姿勢は、多くの起業家にとって学びになるはずです。
優しさと愛に溢れている人。コミュニケーション能力や傾聴力も高く、安心してビジネスの相談ができます!
親しみやすく、色々な人と仲良くなる能力が高い。同じ起業家目線で壁打ちに乗ってくれるので、話し込むうちに自分一人では気づかなかった想いやアイデアに出会えます。