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【コーディネーター紹介:栗山依子】起業の世界には「やってみてはじめて見えてくるもの」がある

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アイデア段階から挑戦できるスタートアップスタジオ「norosi(ノロシ)」では、ビジネス立ち上げの経験が豊富なメンバーがコーディネーターを勤め、それぞれの経験を活かしながらアイデアの事業化をサポートしています。

ここでは、norosiに所属するコーディネーターにインタビュー。今回はアドリブワークスCOOの栗山に、これまでのキャリアや起業家支援に込めた想いを聞きました。

プロフィール

栗山 依子

起業したい人のための マッチングサイト「triven®︎」とスタートアップスタジオ「norosi」の運営&コーディネーター。東京・大阪で広告業界に約12年×24/7、営業企画&プロデューサーとして、食品や雑貨の商品開発からPR・広告マーケティング全般に従事。今は伯方島で無農薬ライムの栽培、スペシャリティカレー「otsucurry」の開発など、自身の商品開発〜PR〜出口開拓に奮闘中。

栗山さんの学生時代を教えてください!


栗山:私は和歌山県出身で、大学は新設の大学を目指して県立長崎シーボルト大学に進学しました。入学当時はまだ設立7年目で、学生主体で自由に色々なことに取り組めました。

高校の先生から「大学時代は一番自由な時間だから、やりたいことを全部やりなさい」と言われたことが心に残っており、入学前に「大学でやりたいことリスト」を全部書き出して、それを実践するつもりで大学生活をスタートしました。

具体的にどんなことに取り組みましたか?

栗山:まずは中高でソフトボールをやっていたので、大学でも続けたくてソフトボール部を作りました。部室や予算も自分で交渉・獲得して、卒業する頃には部員も学校一を誇り、かなり活発な部活になりました。

ほかにも、軽音部に入ったり、学祭実行委員として活動したり。大学公認で地域活性プロジェクトも複数立ち上げました。地元のラジオ局と一緒に番組を企画制作したり、アパレルショップのファッションショー音楽を作ったり、本当に様々なことに挑戦しました。

その中で、自分の手で何かを企てて、地域が良くなったり、周りの人が喜んでくれたりすることにやりがいを感じました。

振り返ってみると、こうした大学時代の経験が、ファーストキャリアや今のnorosiの活動にもつながっているなと思います。

就職活動についてはどうでしたか?

栗山:広告業界一本に絞って、東京で就職活動をしました。

広告業界に興味を持ったのは、学生時代、父の東京出張へついていったとき、原宿で見た広告がきっかけ。たった一枚の看板でしたが、和歌山では見られないようなビジュアルやコピーが印象的で、そのとき「広告って面白い!」と思ったんです。

そしてはじめて内定をもらったのが、大手代理店出身の方が起業したベンチャー企業。立ち上げから間もない会社だったこともあり厳しい環境でしたが、ビジネスパーソンとして多くの経験を積むことができました。

そして新卒3年目を迎えるとき、副社長から「大手代理店に出向しないか」と誘われ、3年目からその仕事をするようになりました。

大手代理店ではどんなプロジェクトを担当しましたか?


栗山主にコンビニエンスストア関連の案件を担当し、新商品の企画から陳列棚のレイアウト、タイアップキャンペーンの52週計画など、本当に色々手がけることができ、世の中の仕組みや交渉術はこの時期に叩き込まれました。

多くの関係者と大きな金額、全国をカバーする流通量を取り扱うにも関わらず、スピード感が求められる日々は、緊張感の連続でしたが、毎日新しいことに携われて、今思うととても楽しかったです。

通常、プロパー(正社員)は2〜3年で部署をローテーションすることが多いのですが、私は出向経由での採用という特殊な状況だったこともあり、7年ほど同じ部署に在籍していました。

チームメンバーも本当に少数で、まさに24時間365日企画を考えたり交渉したりしているような状況。当時は毎日必死で仕事をしていました(笑)。

とてもハードですね……!そこから起業家支援へとキャリアの舵を切ったきっかけは?

栗山:広告代理店の仕事をしているうちに、「どんなに頭を捻って提案しても、相手がYESと言わないと進めないし、成功も失敗もどこか他人ごとのような気がする」とコンプレックスを感じるようになったのが、大きなきっかけの一つかもしれません。

コンビニの案件と同時に、地方のメーカーのプロジェクトに参画し、既存商品の新たな使い方を提案するキャンペーンや、新製品開発を行いました。しかしなかなか成果が出ず、肝心の売り上げも上がらず……。

しかし広告代理店側としては、人件費や制作費を回収するために、たとえプロジェクトがうまくいかなかったとしても、クライアントに多額の費用を請求します。

そういう業界だから仕方ないのですが、先方だけがその失敗の痛みを引き受けなければならない状況に、なんだか違和感を感じるようになったのです。

そんなときにたまたま産休・育休とライフイベントが重なり、「これまでとは違う仕事の仕方に挑戦してみたい」と思うようになりました。

産休・育休中はどのように過ごされていましたか?


栗山:産休・育休中は夫の地元である愛媛に移住。国産ライムを栽培・販売したり、愛媛の老舗和菓子店から依頼を受けて、赤ちゃん向けの羊羹をプロデュースしたりと、新しいことにチャレンジしました。

その後育休が明けて古巣の代理店に復帰、「子育てとの両立がしやすいように」と事務系の部署を希望して仕事していたのですが、次第に「もっと張り合いのある仕事がしたい!」と思うようになり……やっぱり(笑)。

一方で、代理店としてクライアントに関わることに対するモヤモヤも抱えていたときに、山岡から声をかけられ、Wワークでアドリブワークスの仕事にも携わるようになりました。

最終的にアドリブワークスへの参画を決意した転機は?

栗山:一番の転機は、父が亡くなったことです。そのとき「人生は予期せぬところで終わってしまうこともあるんだ」と感じ、それならば自分が本当に「やってよかった」と思える仕事に全力を注ぎたいと考えるようになりました。

そして最終的に退職を決意し、現在の仕事に至っています。

起業家支援を行う上で心掛けていることを教えてください!

栗山:共感力と第三者視点を大切にしています。私はもともと人に対して憑依しやすいタイプで、起業家の方々が抱える想いや情熱に感化されて色々提案したくなるタイプ。

しかし、ただ同じ目線に立つだけではなかなかビジネスの突破口が見つけられないことも多々あります。

だからこそ、広告代理店時代に培った第三者視点を意識して、一歩引いた視点から客観的なアドバイスをするよう心掛けています。

「第三者視点」とは具体的にどういうこと?

栗山:例えば広告の仕事では、自分がどんなに「面白いものができた」と思っても、「これが売り場にあったら、あの人はこの商品を選ぶのか?」と冷静な目線で問いかけることが大切なんです。

それと同じように、起業家の方の情熱に共感しつつも、一度冷静に立ち止まって「これは市場で受け入れられるか?」という視点でアドバイスをしたいと思っています。

最後に、起業家の方へエールをお願いします!


栗山:起業の世界では「実際にやってみないと見えてこないもの」がたくさんあります。だからこそ「これをやりたい」というアイデアを持っている人は、頭の中で考えすぎて動けなくなる前に、まず行動してみてください。

もしも歩みの途中で不安になりそうになったら、私たちnorosiコーディネーターが全力でサポートしますよ!

norosiのリソースやプログラムは、いわば起業家にとってのエスカレーターのようなもの。一歩踏み出してしまえば、あとは自然に周囲が自分と事業を引き上げてくれるので、恐れず飛び込んでほしいですね。

norosiメンバーに聞く、栗山さんってこんな人

山岡
山岡

広告代理店時代に培ったビジネス解釈力と交渉力はピカイチ! 起業家の想いを受け止めながら事業構想の練り込みと実行までサポートしてくれます。

奥島
奥島

興味のアンテナを広く張っていて、どんなビジネスに対しても精度の高い提案をしてくれるコーディネーターです。知識の引き出しが多いので、壁打ちすると色々なアイデアが湧いてきます!

北川
北川

自分でコトを起こそうとする力と、人を巻き込む力がすごい! いつも全力で起業家に向き合っているからこそ「この人を応援したい」「もっと頑張ろう」と自分も感化されます。