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スタートアップは生成AIの進化にどう向き合うべき?

AIはオワコン?それとも…

生成AI(特にChat -GPT)が世間を賑わせ始めてからしばらく時間が経ち、一時期メディアやSNSが「AI!AI!」と騒ぎ立てていた頃に比べると、最近はトーンダウンしてきた印象を受けます。

ではAIは一時的な流行に終わり、いま勢いを失い始めているのか、というと決してそういうわけではないことは、皆さんお分かりのとおりと思います。

特にスタートアップ界隈で有名なサービス(たとえばNotionやCanvaなど)では当たり前のように自社のAIを開発し、プロダクトにうまく組み込んでいます。
OfficeソフトにAIが搭載された「Microsoft 365 Copilot」も、資料作成を大きく変えるのでは?と期待が集まっていますよね(そしてそれは、世界中のホワイトカラーの働き方が変わるということ)。

誰もが当たり前のようにAIを使う時代が、目の前にやってきていると言っても過言ではないと思います。

こちらの図は、ガートナージャパンが出している「ハイプ・サイクル」をグラフ化した資料でわかりやすいですが、

先進的な技術は「黎明期」から「過度な期待」を経て「幻滅」、そして「最終的な安定普及」といった共通のパターンを経て定着することが多いです。

ではAIが今どこにいるのか? というと、「過度な期待」のピーク期を超え、幻滅期に差し掛かった頃になるのかなと思います。

AIに対して一定の失望や興味を失った方が増えてくるので、その方々の声に耳を傾けすぎると「AIはもうオワコン」と錯覚してしまいます。

しかし、幻滅期にもピークがあり、技術的に成熟し誰もが簡単に使えるようになったり、市場ニーズの明確化により必要なサービスにAIが適切に実装されたりすれば、再びAIが脚光を浴びるようになります。

そして、いつの間にか人々の生活に必要不可欠な状態になっている、という状態がやってきます。

キャズムを超えるために、AIを活用する

AIを搭載したwebサービスを開発するスタートアップは、決して珍しい存在ではなくなりました。

たまに見かけませんか?「えぇ…そんなものにまでAIって必要?」みたいなサービスやプロダクト。

冒頭でお伝えしたように、どんなサービスにもAIの実装が当たり前のように行われていますが、裏返すと「とにかくAIをぶち込んどけ」みたいな発想から生まれたものもたくさん見かけます。

かつてのBlockChainやNFTなども同じく「出資を受けたかったら、この技術を組み込んでおかないと話にならない」なんて話もたまに聞きます。

ある意味、AIのテクノロジーをスタートアップのビジネスに取り込む目的は、

  • ユーザーに対してより良いサービスを提供すること
  • 最新テクノロジーを取り込むことでチームの技術力を示すこと

もあると思いますが、それよりもこれから先に起こり得る「安定期」へ向かって、ハイプ・サイクルの大きな”波に乗る”という側面も大きいのではないかと思います。
みんなで向かえば怖くない、みたいなパフォーマンスも含めて。

ところで、多くのスタートアップの製品は、いずれAIがその座を占めるであろう「人々の生活に必要不可欠な状態」を狙っているわけですよね。

ですが、今後AIが当たり前となる社会で、「AIを搭載していること」はまったく差別化要因になりません。

そんな状況なので、今何より大事なのは、当たり前ですが起業家にしか見えていない”価値”そのもの。

「AIやNFTの技術が実装されてるからすごい」という時代はすぐに終わります。

そうではなく、それを使ってどんな世界を生み出そうとしているのかをしっかりと顧客に提示する必要があります。じわじわとコアなユーザーを増やし、ある日突然キャズム(※)を超えて、大きな成長を遂げるまで。

キャズム
「深い溝」という意味で、顧客に新しい商品やサービスを浸透させる際に発生する大きな障害、乗り超えるべき溝、谷、裂け目のこと。イノベーター理論で説明されるアーリーアダプターとアーリーマジョリティには商品への要求やニーズが異なることが多いとされる。しかし、アーリーアダプターに支持されたからといってアーリーマジョリティに支持されるわけではなく、そこにはキャズムがあるとされる。ロジャースのイノベーター理論をもとにジェフリー・ムーア氏が1991年に提唱。

Sony Startup Acceleration Programより抜粋

今からでもAIを取り込もう

このように、生成AIはもはや「一時的な流行りだったよね〜」で終わる代物ではないのは明らかです。ではそれを脅威として扱うか、それとも強力な武器として扱うかは、起業家次第ということになります。

ちなみに、trivenでは今後、誰もが起業を身近に感じられることを目的に(そしてtrivenというビジネスにAIを組み込むとしたらどうなるか、という個人的な興味もあり)、AIを活用しビジネスアイデアの良し悪しを高速でテストマーケティングできる機能を開発中!

色々と研究を重ねてますが、ビジネスのアイデアをAIに生成してもらうのは、まだまだ遠い未来になりそう。
もしくは、そのアイデアの源泉をAIに委ねるのは、これから先も難しく、これこそが未来の「人の行う仕事」と言えるかもしれないな、と感じています。

では、AIをEntre-Tech(※)でどう活かすか? それは、思いついたアイデアが人々にどの程度受け入れられるか?欲しがられているか?どのくらいの費用であれば払って良いか? などを、パッと判断できるようにすることなんじゃないかなと考えています。

通常、このようなテストマーケティングは早くても3ヶ月〜6ヶ月くらいかかってしまうものですが、それを1〜2週間に短縮しよう!という試みです。

ぜひ、ローンチされたら使ってみて、フィードバックをもらえると嬉しいです!

Entre-Tech
アントレテック、人々の独立や起業を補助するテクノロジーの総称。まだ世にない言葉で、弊社が作った造語。