
AIと壁打ちしたら“ビジネス素人”でも新規事業のアイデアを作れるのか?【trivenAi体験レポート】
近年、世間を賑わせている生成AI。
起業やスタートアップ業界でもAI技術を取り込み、事業立ち上げを効率化するWebサービスが続々と生まれています。
一方、「AIはすでに世の中にある情報をまとめるのは得意だけど、ゼロから新しいものを生み出す新規事業とは相性が悪そう…」というイメージがあるのも事実。
いったいAIは、どこまで起業家の壁打ち相手となれるのでしょうか?
そこで、アドリブワークスが提供するビジネスプランジェネレーター「trivenAi(トリブンAI)」を使って、”ビジネス素人”であるnorosi press編集部メンバーが実際に新規事業のアイデアを考えてみました!
trivenAiとは
trivenAiは、アイデアを高速でビジネスプラン化。 まだ世の中にないビジネスアイデアをわかりやすく整理したうえで、
- プレゼン資料
- ビジネス設計図(ビジネスモデルキャンバス)
- 支援者募集のためのWebサイト
など、ビジネスの初期仮説検証に必要な情報・データを一気に生成できます。
目標は1時間でアイデアを創出!
trivenAiは事業立ち上げの0→1に特化したツール。triven Aiを使うことで、初期仮説検証にかかる時間のうち、なんと83.4%を効率化できるといいます。
今回は従来のビジネスアイデアワークショップが3時間と仮定し、その3分の1である「1時間」でビジネスアイデアの作成に挑戦してみました。
なお、今の時点で「こんなビジネスをしたいな」というビジョンはゼロ!
正真正銘まっさらな状態からビジネスアイデアを生み出していきます。

タイマーで時間を計りながら事業アイデア作りを進めます
Step1:アイデアシートの作成
trivenAiでは事業アイデアの整理にあたって、「アイデアシート」というペライチのドキュメントの作成からスタートするそう。
ちなみにtrivenAiの機能を利用する際には「クレジット」というものが必要です。
AIによる分析や提案を行うたびにクレジットが消費される仕組みになっていますが、アカウント開設時点で10万クレジットがすでに付与されているので、無料でも一通りのStepを体験できます。

1STEPごとに2,000〜5,000クレジットが消費される
さっそく入力してみる
「AIと作成を始める」というボタンをクリックすると、アイデアのインプットをする画面に遷移しました。
「アイデアを教えてください」と言われたけれど、全く思いつかない…。そこで最近の個人的な悩み「アパートの騒音問題」を入力してみました。
このままではただのぼやきですが、ここからどんなビジネスアイデアが生まれるのでしょうか?

アパートの壁が薄く、夜中隣の人の声が聞こえて眠れない
「次へ」をクリックすると、ビジネスアイデアを5W1Hに整理する画面に遷移します。
ここで「AIが提案」をクリックすると、先ほどの課題に対してAIが
- 防音対策グッズの販売
- 音の大きさを測定し、最適な対策を提案するサービス
というソリューションを提案してくれました。このままでも悪くはないけれど、もっと尖ったビジネスを考えたいですね。

5W1Hでアイデアを整理してくれる。自分で入力・修正も可能
提案してくれたアイデアの中でも「音の大きさを測定し、最適な対策を提案するサービス」という切り口は面白いかも? と思ったので、先ほどの画面に戻り
- 各戸の音の大きさを測定・可視化
- ユニークな解決方法を提案
と追加入力して、AIに再提案してもらうことにしました。果たしてどんなビジネスアイデアが出てくるのか…?

アイデアのインプットを変えると、新たな提案をしてくれる
AIが「データを周囲の住民と共有する」というアイデアを出してくれました。
たしかに「ほかの人と比べて、自分の生活音うるさすぎ?」と反省したり、「隣がうるさいと思っていたけど、自分が過敏すぎるのかも」と気づいたり。
各アパートの生活音の大きさを可視化・共有できれば、もっとお互いを思いやる気持ちが生まれるかもしれません。
ここまでなんと4分24秒。
こんな短い時間でビジネスアイデアの大枠が完成して驚いています……!

自分が納得いくまでAIにアイデアを再提案させることができる
ビジネスのキーワードを考える
続いてこれまで入力した情報から、このアイデアを象徴するキーワードを3つ考えます。
ここもAIが提案してくれるので、ピンと来るものを選ぶだけ。
AIによるおすすめキーワードは「音の測定」「睡眠改善」「アプリケーション」「コミュニティ」など。
「これ」というものがなかったら、AIに指示を出すことで新しいキーワードを提案してくれます。

「近隣住民への思いやり」を想起させるキーワードを再提案してもらいました
再提案の結果、私がいいなと思ったのは「共同生活」というキーワード。
アパートの隣の住民は赤の他人ではなく、ともに共同生活を営む仲間。そんな当たり前に気づかせてくれるいい言葉です。
最終的に「音ストレス軽減」「共同生活」「センサー測定」という3つをキーワードに選びました。

「自分がワクワクするかどうか」も、事業立ち上げに必要なエッセンス
ビジネスタイトルもAIが提案
さらにtrivenAiはビジネスのタイトル(キャッチコピー)まで考えてくれます。
複数提案してくれた中で私が選んだのは「アパートの音問題を解決する!新しい共同生活支援ツール」。
がっつり壁打ちに付き合ってくれて精度が高まっているからこそ、タイトルも「そうそう、こういうことを伝えたかったんだ」という納得感の高いものが生まれました。
最後に起業家としての意気込みを入力して…。

いつのまにか「やるぞ!」という想いがあふれ、一番入力に時間がかかったパート
最終的に完成したアイデアシートがこちら!
短い文章ですがビジネスアイデアのエッセンスが詰まっており、「こんなサービスがほしかった!」と思えるものができました。
アイデアシートの作成にかかった時間はなんと……13分44秒!
trivenAiが「爆速の壁打ち相手」になってくれたおかげで、1時間どころか15分足らずでビジネスアイデアが完成してしまいました。
事業の確実性を高めるためのフィードバックも
Step1を最後まで記入すると、AIがこのようなフィードバックをくれます。
1. 競合調査の強化:
– 競合が多くないか、また既存のサービスとどのように差別化を図るかを明確にする必要があります。音問題解決のアプリやデバイスは既に存在するため、ユニークな機能や価格設定を検討することが重要です。
2. 付加価値の提案:
– ただ音を測定・可視化するだけではなく、具体的なアクションプランや「音マナーガイド」など、住民が実践できる具体的な改善策を提供することで、利用価値を高めることができます。
3. センサーの導入コストの考慮:
– 専用センサーの設置コストが高くなる可能性があります。住民が気軽に導入できるようにするために、コストを抑えたデバイスの開発やサブスクリプションモデルを検討することが有効です。
4. データプライバシーの配慮:
– 音データの収集・共有にはプライバシーの懸念がつきものです。データの取り扱いやユーザーの同意取得に関する明確な方針を策定し、信頼性を高めることが必要です。
5. ターゲット市場の具体化:
– 「音の問題に悩む住民」という曖昧なターゲティングよりも、例えば「夜勤者」や「育児中の親」など、具体的なターゲットを設定し、そのニーズに特化したプロモーションを計画すると良いでしょう。
どれも「なるほどな」と唸らされる視点のアドバイスばかり。
AIのサポートによって生まれたアイデアはあくまでも60〜70%の完成度であり、ここから先は私自身の手でビジネスをブラッシュアップする必要があるということですね。
事業開発初心者はまずAIとの壁打ちから始めよう
trivenAiを使って実際にビジネスアイデアを考えてみることで、「事業開発初心者の人ほどAIとの壁打ちは有用」と実感できました。
- 頭の中で思い浮かべていたあいまいな想いを5W1Hの形で整理してくれる
- 自分では思いつかないキャッチーなワードを見つけてくれる
- 自分の気が済むまで何度でも再提案させることができる
いつ・どんなときでも、そして何度でも壁打ちに付き合ってくれるのがAIの良さ。
「事業アイデアはあるけれど、まだ人に話せる状態にまで仕上がっていない……」という方は、まずはAIと壁打ちしてみてはいかがでしょうか。