
【22年度】静岡事業承継アクセラレーションプログラム最終成果発表会を開催しました
2023年1月26日、株式会社アドリブワークスと静岡市 コ・クリエーションスペースCOCODE協働プロジェクトの「静岡事業承継アクセラレーションプログラム」の最終発表会 ”norosiピッチin静岡” を開催しました。
舞台は今年の大河ドラマ「どうする家康」でも益々注目を集める静岡。徳川の時代から続く産業や文化が残る静岡市で、新たな挑戦の火種が生まれています。
「大将たる者、味方の盆の窪ばかり見ていて、合戦で勝てるわけがない」
そう立ち上がった市内の事業承継をした大将のみなさま4名が、新規事業アイデアを半年間かけて磨き上げてきました。
新時代の幕開けを感じるnorosiピッチin静岡の陣、4者4様のユニークな新規事業の発表会の様子をレポートします!
静岡事業承継アクセラレーションプログラムとは?
本プログラムは、4回のワークショップとワーク・オンラインの壁打ちを経てビジネスプランを企画。
限られた時間の中で新規事業開発のプロセスを凝縮するために、膨大な量のインプットとアウトプット、オンラインでの壁打ちを重ねて、温めていたアイデアを企画書へと落とし込むことができました。
事業承継者として、今まで先代が育ててきた自社の製品・サービスを大切にしつつも、新たな時代に向けて今まで温めていた4者4様の新規事業アイデアは、比較・審査できる内容ではないくらい可能性あふれるものでした。
「最終発表会は優勝者を決めますが、あくまでも”節目”として、新しいビジネスが生まれる瞬間を発表する場です。頑張ってください」
オープニングセッションでは、プログラムに伴走してきた株式会社アドリブワークス代表山岡のチャレンジャーのみなさまへのリスペクトと激励から始まりました。
norosiピッチin静岡の陣、開幕
ピッチでは、審査員がビジネスの新規性・実現性・継続性・社会課題への貢献度・発表者の熱意の5つの項目で評価。
それぞれのチャレンジャーの発表と審査員のコメントを紹介します。
株式会社渡辺モータース商会 渡邊悠里さん
ビジネスアイデア:中古車をリメイクした移動販売車レンタル事業
「アパレル等の販売店にとって、実店舗の改行は初期投資が高く、ECサイトでは返品率が15~30%と言われている小売業界で、店舗と顧客、双方納得に行く商品提供の場を作りたい」
【審査員からのコメント】
サービスの強み、弱みをしっかりと分析できており、ご自身のあったらいいな、という経験を活かしたサービス。利用方法もいろいろな可能性を秘めており、アイデア次第でイベントなど広がりが見えてきますね。
伊豆川飼料株式会社 伊豆川剛史さん
ビジネスアイデア:静岡のマグロの魚粕肥料を使った農作物の共同ブランドを作り日本中に広めたい
「”マグロの肥料”で育った農作物は品質が高く美味しい。でもそれが知られてないのは、市場に出ると”品種で単一に扱われてしまうから”。本当によいものを適切な価格でほしい人に届けるための共同ブランドを農業従事者の方々と作り、これを全国に広げる取り組みにチャレンジします」
【審査員からのコメント】
肥料でのブランド作りは斬新で新しい品質や価値創出のアイデアとして興味深いです。農家さんが儲かれば肥料が売れるという消費者、生産者、ご本人の三方良しのビジネスモデル。
株式会社r8(炭焼きうなぎかん吉 清水店) 吉田喜久子さん
ビジネスアイデア:鰻職人オンライン講座
「静岡からうなぎ職人をオンラインで効率的に増やし、”個人店舗サイズ”の「うなぎ屋」を全国に広めるチャレンジをします。職人の世界はハードルが高いイメージがありますが、うなぎ職人として修行する時間は実は短く、オンラインスクールの卒業生の独立準備の支援もします」
【審査員からのコメント】
うなぎ職人のハードルが低いというのは面白く、ラーメン店などと比べるとビジネスの可能性があるというプレゼンには納得感があった。中国やEUといったうなぎ文化がある国をターゲットにインバウンドによる静岡活性化に繋げる発想としても面白いかもしれません。
株式会社三坂屋 橋本加代子さん
ビジネスアイデア:急な来客時に助かる置き和菓子サービス オフィス和菓子
「”大事なお客様をおもてなしするために、市販のお菓子ではなく特別なお菓子でもてなしたい!”そんな時のためにまるで”置き薬”のようにパットお出しでき、高いおもてなしを実現できる「オフィスで和菓子(置き和菓子)」のサービスでお客様と定期的な接点を作りたい」
【審査員からのコメント】
美味しい和菓子の常備で企業価値やもてなしが高められるというのは納得感がある。賞味期限を延ばすよりも賞味期限は定数とし、素早く届ける仕掛けを考えてみてもいいですね。和菓子に加えお茶やテーブルコーディネート、手土産などコンサル的拡大ができれば。
優勝者|伊豆川飼料株式会社 伊豆川剛史さん
伊豆川さんのコメント
プログラムに応募した当初は別のアイデアを考えており、悩んでいるところでした。いろんなワークショップを体験していく中で、そこではなくて自分の中の根本で昔からずっとやりたかったことに気づき、新しいアイデアを0から作ることができました。本当に良い機会になりました。
審査員代表の武馬さんより
事業承継としてそもそも長い歴史をつなぎ事業を続けてきたことがすごいことです。
自社の強みを活かして新しい事業を作るのは大変だったかと思いますが、ワークショップから見届けてきて、最初のアイデアの段階から年末年始の繁忙期の中でここまで生み出した熱量に感動しました。
チャレンジャーのみなさまを静岡市としてもこれからも応援していきたいです。
優勝の伊豆川さん、そしてユニークなビジネスアイデアを発表してくださったチャレンジャーのみなさま、あっという間のような濃厚な半年間を、お疲れさまでした。
ピッチということで審査がありましたが、最終結果は僅差。審査員のみなさまがそれぞれのチャレンジャーさんへ事業の可能性を感じ、エールを送っておられました。
NOROSIピッチin静岡から見えてきたのは、ローカルに特化した”事業承継”ならではのビジネスアイデア。当事者として見える業界の課題や可能性から生まれる斬新なアイデアでの挑戦は、スタートアップとはまた違うダイナミズム!
歴史を守りながらも、新時代を創ろうとする火種はもしかしたら日本の各地で起こっているかもしれません。
日本には沢山の芽吹かせるべきシードがある。アドリブワークスは新時代の幕開けに向け、全国各地の種を育てていきます。
”ここにもこんな種があります!”という事業承継者のみなさま、また事業承継者向けのアクセラレーションプログラム開発をご検討の方はアドリブワークスの問い合わせフォームよりご連絡ください。