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清水建設のスタートアッププログラム「NOVARE boost」とは?アイデアの都市実装や海外展開も支援【エントリー受付中】

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日本を代表する建設会社である清水建設株式会社(以下、清水建設)は2023年12月14日、アドリブワークスと共同で開催するスタートアップ支援プログラム「NOVARE boost(ノヴァーレ・ブースト)」のエントリー受付を開始しました。

今回はNOVARE boostを立ち上げた清水建設の加藤大輔さんと佐々木浩平さんのお二人に、支援の特徴やスタートアップ支援の事例、プログラムへの意気込みを伺いました。

NOVARE boostとは?|アイデア段階からPoC〜海外展開までを一貫して支援


ーー清水建設が過去に行ったスタートアップ支援も踏まえて、今回始まるNOVARE boostのプログラム内容を教えてください。

加藤さん:清水建設は2023年2月、清水建設が持つ建物・都市のアセットを活かしながらスタートアップと連携し、新たな技術の社会実装を目指すアクセラレータープログラム「SHIMZ NEXT」を開催しました。

同プログラムでは国内外の有望スタートアップ16社と提携を行い、現在は事業化へ向けて実証実験等の取り組みを進行中です。

そして、今回新たにスタートするNOVARE boostの最大の特徴は、アドリブワークスの提供プログラム「norosi」を通じて、ビジネスになる前のアイデア段階から支援を行う点。

SHIMZ NEXTではある程度ビジネスが確立しているスタートアップを中心に支援していましたが、NOVARE boostではビジネスアイデアのブラッシュアップという最初期から、プランの都市実装・海外展開まで、一気通貫かつ強力な支援を受けられます。

佐々木さん:アドリブワークスが持つビジネスインキュベーションのノウハウも借りながら、清水建設が持つ不動産・工場・顧客網・海外とのコネクションといった様々なアセットを提供する。

その中で、社会が抱える課題やニーズに対応できる事業を生み出したいと考えています。

ーーより大きな価値を提供するスタートアップ創出のためのサポートが充実しているのですね。特に積極的にエントリーしてほしい事業テーマ等はあるのでしょうか。

佐々木さん:NOVARE boostでは、あえて細かい事業テーマは設けていません。

清水建設は都市実装が得意分野なこともあり、「City-Tech(都市課題を解決するアイデアやテクノロジー)」というキーワードは念頭に置いているものの、より幅広い領域のスタートアップに応募いただきたいと考えています。

SHIMZ NEXTを開催したときに実感したのは、世界には私たちが想像もしていなかったような社会ニーズや課題解決のアプローチがあるということ。
自分たちが見えている範囲の中で対象となる事業テーマを決めてしまうと、かえって可能性を狭めてしまうと思ったのです。

加藤さん:建設業界に限ってお話すると、「脱炭素」と「都市DX」という2つのキーワードがトレンドです。

「建物を建設する」プロセス、つまり鉄骨やコンクリートといった資源を調達・運搬して建物を作るという流れの中で、建設業者は大量のCO2を排出します。

この建設時に排出されるCO2を「エンボディド・カーボン」と言うのですが、このエンボディド・カーボンをどう削減するかという問題は、環境意識が高いヨーロッパを中心に、日本でも徐々に関心度合いが高まっています。

また都市DXにおいては「スマートシティ」というキーワードが広まっています。

【スマートシティとは】デジタル技術を活用して、都市インフラ・施設や運営業務等を最適化し、企業や生活者の利便性・快適性の向上を目指す都市

少子高齢化や環境問題に伴う諸問題をデジタルの力で解決し、持続可能かつ人々が暮らしやすい都市を実現する技術などにも注目しています。

とはいえ先ほど佐々木さんがお話したように、私たちが思いもよらないニーズや技術に着目するスタートアップもきっとあるはず。

そういったスタートアップと出会えることを期待しているので、「人々の暮らしや社会を良くするためのアイデアがある」という方はぜひ門を叩いてほしいですね。

建設現場との連携や工場建設も。清水建設の都市実装支援

SHIMZ NEXT採択企業


ーーこれまでのスタートアップとの取り組みの中で、都市実装に取り組んだ事例を教えていただけますか?

加藤さん:SHIMZ NEXTで採択されたTBMというスタートアップとの協業事例があります。

TBMはプラスチックや紙の代替素材となる環境にやさしい素材「LIMEX」という新素材で注目を浴びているスタートアップです。同社はプラスチックごみをリサイクルする工場を横須賀に建設しました。

清水建設ではTBMに対して、建設現場で出た廃棄のプラスチックごみを提供。そのごみをリサイクルして作られたカラーコーンを竣工後のお客様にお送りし、実際に使ってもらう取り組みも行っています。

建設現場では大量のプラスチックごみが発生していますが、その多くは産業廃棄物として焼却処理しているのが現状です。

廃棄物を燃やすときに発生する熱エネルギーを回収して発電に利用する「サーマルリサイクル」という考え方もありますが、より本質的なリサイクルのあり方を模索するという点で、TBMとの取り組みは社会的価値が非常に高いと考えています。

この事例のようにNOVARE boostでも、私たちのアセットをうまく活用していただきながら、社会課題を解決するスタートアップをたくさん生み出していきたいですね。

ーー清水建設がスタートアップ支援に力を入れる背景には何があるのでしょうか。

加藤さん:現在、建設業界は非常に厳しい経営環境に置かれています。

国内の建設投資総額が1992年の92兆円をピークに右肩下がりとなっており、2008年のリーマンショック時にはピーク時の半分を割り込みました。

今後も少子高齢化で建設需要が減ることが予想される中、会社として生き残るためには「ただ単に建物を作る」だけではなく、その先の新しい価値を創造することが求められているのです。

一方でお客様のニーズを見てみると、先ほど挙げた「脱炭素」や「都市DX」といったキーワードのように、ニーズの多様化と高度化が進んでいます。

それらのニーズに対応するべく、清水建設内でも研究開発を行っているものの、やはり自社努力のみでは限界があるのも事実。

そこで、スタートアップと協業しながら新たな技術や製品開発を支援することで、より高いレベルでお客様に価値を提供したいという想いがあります。

イノベーション拠点「NOVARE」で新たな価値を創造


ーー東京都江東区潮見に建設したイノベーション施設「NOVARE」についても教えてください。

佐々木さん:NOVAREは「温故創新の森/Smart Innovation Ecosystem」をコンセプトに建設された施設です。

220年という長い年月をかけて積み重ねてきた清水建設の「知・技・人」のDNAを守りながら、それに立脚した新たなイノベーションを生み出すことを目指しています。

NOVAREには大きく分けて5つのエリアがあるのですが、一部のエリアは清水建設の社員だけではなく、スタートアップや大学・研究機関などが気軽に出入りできるようにして、事業のアイデアが生まれる場を作りたいと思っています。

また事業や技術のイノベーションを促進できるよう、大規模実験ができるスペースや最新設備も用意しています。

NOVARE boostに採択されたスタートアップもぜひこのNOVAREを利用してほしいと考えており、現在は利用いただくためのルールを整備中。グランドオープンは2024年2月の予定です。

まだまだ運営方法を模索している部分もあるので、NOVAREをより良い共創の場とするべく、スタートアップの方の意見も伺いながらイノベーションが起こる場を一緒に作っていきたいですね。

ともに日本・世界をより良いものに


ーー最後に、NOVARE boostへのエントリーを検討するスタートアップへ向けてメッセージをお願いします!
加藤さん:建設業界は人々の暮らしを支える「縁の下の力持ち」的存在です。

家やインフラ施設などはもちろん、商業施設・製造業の工場などあらゆるものを建設しており、日本の産業の発展・成長にも貢献している業界だと思っています。

一方で、先ほども申し上げたように建設業界は今、目まぐるしい社会環境の変化の中で苦境に立たされています。

しかしスタートアップとともに共創し、新たな価値を次々に生み出すことができれば、現状を打破して建設業、ひいては日本をますます発展させていくこともできると思うのです。

清水建設では、スタートアップがより価値の大きいビジネスを生み出せるフィールドを用意しています。日本、そして世界をさらに良いものにするべく、一緒に狼煙を上げましょう!

佐々木さん:一つの大きな建物を作るには、周りの人と協力し合うことが不可欠。だからこそ、220年建設業界に携わってきた清水建設では「困っている人がいたら助ける」という社風が深く根付いています。

清水建設がスタートアップと協業する上での強みは、長い歴史に裏打ちされた建設関連の技術力の高さと、この「困っている人がいたら助ける」社風にあります。

この強みを活かして、この日本、世界を変えていく価値を皆さんとともに生み出すことができれば嬉しいです!

365日受付中! 清水建設×norosiののスタートアッププログラムNOVARE boost

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