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SUインタビュー

【ITサポート・根本雅文】人前で何度もピッチができるのは、願ったり叶ったり

世の中をよくするアイデアの種を、仲間と共に育てるオープンコミュニティ「triven(トリブン)」。ソーシャルグッドのアイデアを持ったチャレンジャーが、どのようにtrivenを活用し、スタートアップに繋げていったか、そのストーリーを紹介します。(インタビュアー:trivenコミュニティマネージャー岩田かなみ)

プロフィール

根本 雅文

1985年6月生まれ。私の経歴は少し変わっており、大学1年の19才からキックボクシングを初め、21才でライセンスを取り28才までタイや中国、日本だと後楽園ホールや新宿フェイスなどで試合をしていました(戦績35戦20勝15敗)

大学卒業後は格闘技ジムのオーナーが運営していた介護施設にて就職し、日中は介護の仕事をし、夕方からジムのトレーナー及び自分の練習をやっていましたが、28才の時に限界を感じ引退しました。また介護施設にて働いている中で常に人材不足を感じており、自分が働いている施設だけでなく介護業界全体の人材不足を解消するにはどうすれば良いか…悩んでいました。

そして最終的に出した結論は、これからの時代はテクノロジーがより発達していくため、システムを作って介護業界の人材不足を解消していくことが一番の手段だと決めました。しかしその時点ではITの知識は皆無だったため、一旦ITエンジニアに転職し、開発からプロジェクトリーダー業務を経験しながらITの知識やスキルを最低限身につけていきました。

そして35才の時に、弊社(ITサポート)を立ち上げました。現在は9名のメンバーと他社のシステム開発サポートという形で事業を行っておりますが、今後は介護施設と働く人をマッチングし、介護業界の人材不足を解消するサービスを作っていくためプロトタイプ(試作品)の開発に踏み出した所です。出資や融資、開発・営業・システムの仕様検討などにおいてサポート頂ける方がいらっしゃいましたら、お気軽にお声がけ頂けたら大変嬉しいです。

どうぞよろしくお願いいたします。

プロジェクト▶ケアサポ:介護施設と働く人をマッチングするサービス

事業は一心同体。起業家としての階段を駆け上がる根本さんのチャレンジ

岩田:先日のHIDANEミーティングでは本番さながらのピッチ練習お疲れさまでした!練習の成果はいかがでしたか…?

根本さん:昨日もVCさんとの面談があり、まだ直接の訪問には至らないのですが、最初のころに比べると良くなりつつあると思います。

岩田:日々、実戦をしながらブラッシュアップをしておられるんですね。ピッチデックもとても見やすくわかりやすいものでした。本業はエンジニア派遣会社の社長さんということですが、「ケアサポ」を始めるにあたり、起業に関する知識や準備はどのように進められてますか?

根本さん:ケアサポの事業は去年の秋から準備を始めました、事業を0から立ち上げるのは初めてのことなので、動きながら勉強をして、色んな人にアドバイスを求めながら壁打ちをして進めています。様々なスキルマッチングサービスを利用して専門家の方に教わったり、本を読んだら1つ学んだことを実践するようにしています。

岩田:HIDANEミーティングに参加されたのも冬ごろだったかと思いますが、trivenを知ったきっかけは何だったんですか?

根本さん:たしかご紹介だったと思います。融資や出資だけじゃなくtrivenのような資金や仲間の集め方があると聞いて翌日に登録しました。参加してみると起業のステップを総合的にフォローしていただいていて有難いです。特にピッチの練習を人前でやるのはとても大事なことで、何度やっても十分なことはないので、そういった機会を与えていただけるのは感謝しています。

岩田:何度でも練習に来てください!日々起業家の階段を上る根本さんのこの半年足らずの成長スピードが超特急です…!

根本さん自分の貯金を事業の資本に入れているので一心同体なんです。始める時に自分の貯金を全部入れて逃げられないようにしたかったんですよね。やっぱり弱い部分があるのを知ってるので、退路を断ちました。それだけのリスクを背負ってやっているからそれだけ必死になれるというか…やっぱりチャレンジしたいと思って。

岩田:人生をかけた挑戦が始まったわけですね。

根本さん:実は20代の時もずっと格闘技をやってそれに明け暮れていました。

岩田:えぇーーーーまさかの格闘技!チャレンジ精神の源はそこにあるんですね。

根本さん:前職は介護の仕事をしていましたが、オーナーが(格闘技の)事務所をやっていてそこで海外の試合に出たり、生徒を教えながら介護の仕事をしていました。まぁファイトマネーをもらえるのと、持ち出しをした事業のお金が減るというプレッシャーは全然違いますが。

岩田:(本格的だ…)介護と格闘技で生計を立てていたところから、どのように起業に…?

根本さん:介護業界で働いてるときに一般従業員から管理者の立場まで経験し、その中で常に人材不足という課題を感じていました。自分だけじゃなく介護業界全体の人材不足を解決するにはシステムが1番大事だと考え、ITの力で介護の課題を解決する仕組みを作るためエンジニアへ転身しました。会社に入りエンジニアリング全般を学び、独立をして今はエンジニアの派遣事業の会社を経営して経営基盤を作っています。

介護業界の課題を解決するべくエンジニアへ。チャレンジの日々の裏側は…?

岩田:介護業界の課題を解決するためのエンジニアになられたんですね。派遣事業で起業を経験されたと思いますが、今回のスタートアップを始めて大変だったことは?

根本さん:色々なビジネス書を読んでいる中で、会社が潰れる一番の原因は「キャッシュフローが回らなくなって潰れることが9割」だと書いてあるのを学びました。弊社ではエンジニアを採用しても売上が入ってくるのは3ヶ月後になるため、採用費用(一人当たり約130万円)と3ヶ月分の給与を先に確保しておく必要があるため、キャッシュが尽きないように、その辺のマネジメントには何度もシュミレーションをしながら細心の注意を払いました。

加えて、メンバーの技術サポートやバックオフィスも兼ねているので、次第に業務が回らなくなってきて、ミスも増えてきてしまいまいした。

そのため、一旦全ての業務を見直し、システムやツールで効率化していくことにしました。

例えば日程調整ツールを使うことで、URLを共有するだけで日程調整が完了するので、だいぶ生産性が高まりました。

岩田:退路を断ち、限られた時間の中で思い通りにいかないこともあるかもしれませんが、ご自身の変化はありましたか?

根本さんそうですね、メンタルも結構変わってきました。落ち込むようなことがあっても気持ちの切り替えが早くなりました。昔は謙虚が大事だと思い、結構ナイーブに落ち込んでいたこともあったんですが、そんなこと言っていたら前に進まないじゃないですか。前に前に、立ち止まっている暇なんてないくらい忙しくしているので、資料を作りながらヒアリングをして…って感じで。タスク管理さえしていれば忙しいことは悪いことじゃなく、逆にいいことだと思います。色んなことがあるけど、忙しく前に進んでいるのが1番かと。

岩田:これから資金調達も目指してますます決断をしていくことになると思いますが、ご自身の挑戦とどう向き合っておられますか?

根本さん資金調達に限らずなんですけど、自分でコントロールできることとできないことを分けています。今までは結果を気にしていたんですけど、それって自分でコントロールできない様々な要因があるので、できる最大限のことをやって、もし駄目だったらもう謝るしかないと思っています。例えば、VCさんでいうと、IPOできる会社は本当に数%ですが、IPOできなかったといっても命をと取られることはないので(笑)採用の面接でも入社するかどうかを決めるのは先方ですよね。自分がまっとうにやってボールを投げたら、判断するのは相手だと切り替えるようにしています。このように考えられるようになったのも事業を始めてからですね。

岩田:コントロールできることとできないことをわけることで、挫けないメンタルが鍛えられたんですね。根本さんが起業家として新しい事業にチャレンジする中でマインドセットも変化してきたということが印象的でした。

NOROSIのプログラムを活用して、ご自身でピッチ練習や壁打ちをして訓練の場をセットして前へ前へと進まれているのが伝わってきます。最後に今後の展望を教えて下さい。

根本さん:年末までには遅くとも開発をしてケアサポをリリースしたいです。そのために資金調達をしたいので、まずは調達を実現させます。

岩田:ありがとうございます!trivenの中には壁打ちができるプロサポや資金調達をされたちょっと先を行くチャレンジャーさんもいるので、ぜひヒントを見つけにきてください。

内容は取材当時のものです。現在のサービス名・事業内容・活動状況は同社のホームページ・SNSなどをご参照ください。

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