
観光クロスオーバーコンテスト2024を開催しました
2024年7月4日、日本橋・東京証券会館にて「観光クロスオーバーコンテスト2024」が開催されました。
「日本の観光をアップデートするビジネスアイデア」をテーマに、最優秀賞(官公庁長官賞)には賞金20万円、優れたアイデアには官民連携の実証実験機会が与えられる本コンテスト。
当日は100名近くの応募の中から事前審査を通過したファイナリスト6名が登壇し、熱いピッチが繰り広げられました。今回はその模様をレポートします。
日本の観光産業を盛り上げるビジネスアイデアを披露
コンテストでは、審査員がビジネスの新規性・実現性・観光業界へのインパクト・社会課題への貢献度・発表者の熱意の5つの項目でビジネスアイデアを評価。
ファイナリストたちは各々の視点から観光課題を捉え、観光業界の未来を作るためのビジネスプランを披露しました。
ここではファイナリストたちのピッチ内容を紹介します。
官公庁長官賞(最優秀賞):株式会社Grit 内田 雄介さん・中山 隼輔さん
▶︎ビジネスプラン:性別や年齢、国籍、疾患や障がいの有無に関わらず誰しもが旅行を楽しめる日本へ
障害や病気があっても自分らしく、行きたい場所へ行けるようにするため、旅行の同行支援を行うビジネスアイデア。「人的パス」「物理的パス」「経済的パス」という3つのバリアパスに取り組み、既存のバリアフリーの配慮だけでは足りない部分を補うことで、誰もが旅に行けるようにする。旅行におけるバリアバスを実現することで、誰もが観光を楽しむことが可能となり、自律的かつ魅力的で持続可能な地域創生が実現可能に。
優秀賞/オーディエンス賞:Lost Item Delivery株式会社 吉永 陽介さん
▶︎ビジネスプラン:訪日外国人の忘れ物をコスト0リスク0で海外配送。落とし物の捜索から売上最大化、誘致までを実現
訪日外国人観光客の増加により、宿泊施設での「忘れ物」が増加、宿泊施設の業務を圧迫している。さらに人手不足や多言語対応の難しさ、国際配送のリスクもあり、なかなか本人に忘れ物を返せないことも多い。そこで、インバウンド観光客の忘れ物を、旅館・ホテルの利用負担ゼロ・リスク0で海外配送する代行サービスを実現。忘れ物をした観光客とのコミュニケーションの中でフレンドリーな関係を構築し、旅の満足度をさらに高める。
養父市賞/道志村賞:株式会社タビキャスト 水谷 悦久さん
▶︎ビジネスプラン:〜観光地を輝かせる旅行者〜人手不足で悩む観光事業者をひとり旅旅行者がスポットワークで支援
深刻化する観光業界の人手不足を解決するため、深い地域交流を望んでいるひとり旅の旅行者をスポットワーカーとしてマッチングするビジネスアイデア。「観光事業者として働く」というユニークな体験を、旅行のコンテンツとしてデザインすることで、新たな旅の体験価値を提供する。それとともに、地域に深く関わったワーカーだからこそ伝えられる「観光地の魅力」が広がることで、新たな観光需要を生み出す。
協賛企業賞/BEYOND賞:株式会社Simplee 諏訪 実奈未さん
▶︎ビジネスプラン:”訪日観光客向け”体験型託児のDXソリューション〜世界中から訪れる人々を歓迎する育児サービスの実現〜
訪日観光客のファミリー層は、子連れのために旅時間や旅体験を最大限に活用できないという悩みを抱えている。特に日本では育児のアウトソーシングがあまり普及しておらず、ファミリー観光客にとって快適な旅を提供する視点が不足している。そこでファミリー層の旅体験を向上させるべく、訪日観光客が簡単に利用できる託児サービスを開発。多言語対応の予約・決済システムにより、観光業・エージェント・ホテルとの提携を通して、宿泊先・滞在先まで保育士を派遣する。
ファイナリスト:Fourwin株式会社 永瀬 駿平さん
▶︎ビジネスプラン:地方自治体や宿泊施設、飲食店などがコストを分担。旅行者の交通費を実質無料に
旅行者が観光地に来ることで、地方自治体や、宿泊施設、飲食店など様々な地域事業者が恩恵を受けている。一方で交通費の負担は旅行者のみに集中しており、この負担が旅行の需要を抑制しているという現状がある。そこで自治体や地域事業者が旅行者の交通費を負担、旅行者の交通費を実質無料にするビジネスアイデア。交通費が無料になることで、お得感からや口コミ効果から観光客が増え、交通費負担分のコスト回収・売り上げ増を実現。
ファイナリスト:株式会社Atire 伊藤 渚さん
▶︎ビジネスプラン:〜音楽で地域に彩を〜 音楽イベント同行者マッチングアプリ
地域活性化に貢献する企画として、音楽イベントが注目されている。一方でライブ・エンターテイメントの業界では、ライブイベントの同行ニーズやチケット転売問題など、業界特有の課題も生まれている。これらの課題を安全に解決し、音楽イベントの参加者増加を促進することで、地域の観光客増加や経済発展を目指す。
地方の事業承継者の情熱こそが日本を変える!
多様な視点から日本の観光業界をアップデートするビジネスアイデアが集まる場となった観光クロスオーバーコンテスト2024。ファイナリストたちのアイデアは観光業界の新たな可能性を提示するとともに、観光という枠組みを超え社会課題の解決に貢献するものも多くありました。
今回ファイナリストとして残ったビジネスアイデアのうち、優れたものは今後養父市にて実証実験が行われる予定です。ここから生まれた未来の観光を形作る新しいアイデアが、今後社会実装されることが期待されます。